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PNC会員へ・・・
会員のみなさま 1478 後醍院 廣幸
おはようございます。本日は2021年8月17日(火)、現在は朝の6時45分です。
しかし、よく降る雨でした。現在のところは止んでいますが、夜半までは雨マークが
付いています。という事は本日も雨模様という事でしょうね!
九州地区の降雨量は半端では無かったですね。連日降雨が続き、合計の雨量は
当方、この駅は懐かしい思い出があります。20歳のころですが、与論島に一月半
過ごして千葉への帰路に寄った駅です。勿論、駅で寝るために場所を確保したまでは
良かったのですが、あまりの蚊の多さに閉口して、この八代駅での就寝は諦め、隣の
はまだ新装なったばかりだったので蚊などはまったくいませんでした。というようなことを
テレビを見ながら思い出していましたが、九州地区の豪雨来襲は半端では無かった
ですね!それでも本日中には此の入梅末期のような雨模様は今日の夜半までで、
今夜からはまたぞろ暑い毎日がぶり返してくるそうです。8月はまだ半分残っています。
当分は暑さとの闘いになりそうです。因みにですが、八代駅は当方が寝ようとした52年前
とほゞ変化がありませんね!?!小さな駅舎でしたが今も同じでした。
コロナ感染に行きます。都で2962人、全国では14854人です。大阪が964人、兵庫は
402人で京都が321人です。福岡は683人、愛知571人です。近在では神奈川が2584人
と多く、千葉でも最多の1609人とここへ来て千葉のあちこちでクラスターが発生しています。
埼玉は1301人と出て、遠方の沖縄は339人、北海道は357人と出ています。明日あたりからは
またぞろ増大傾向となるのでしょうか?
当家(兄弟・親戚)関連では一夫婦の嫁だけが1人コロナ感染で自宅療養を強いられて
いるようです。御多分に漏れず、保健所からはまったく連絡が来ないそうです。もう、ほぼ
外出はしないようにします。しかるべく医療機関で療養が出来るなら問題ないですが、自宅での
療養は絶対にご勘弁願いたいです!もうこの2日間は巣篭りとなっています。今日も午前中に
整形外科でのリハビリだけしか予定はありません。雨模様もあり超つまらない一日となりそうです。
今日も3件ほど添付はします。ご参考に・・・という以外言葉が出て来ません!?!
植草一秀氏
「植草一秀の『知られざる真実』」
2021/08/16
第3007号
8月22日に横浜市長選が投票日を迎える。
過去最多の8人が立候補して混戦になっている。
横浜市長選結果が国政に直結する。
昨年9月に発足した菅義偉内閣に得点はない。
失点だけを重ねてきた。
自分の考えをゴリ押しして失敗を積み上げてきた。
学術会議会員任命拒否。
Gotoトラベル事業の強行推進。
変異株に対する水際対策妨害。
五輪優先の緊急事態宣言解除。
五輪開催強行。
結果として感染爆発を招いた。
挙句の果てにコロナ感染者を自宅に放置する方針まで示すに至った。
菅コロナ大失政により医療崩壊が生じている。
この実績を背景に内閣支持率が順当に下落し続けてきた。
内閣支持率が3割を割り、退陣が秒読み態勢に移行している。
菅義偉氏が首相に就任以降、主要な選挙で与党は敗北を続けてきた。
1月24日 山形県知事選
3月21日 千葉県知事選
6月20日 静岡県知事選
4月25日 北海道、長野、広島国政三選挙
7月4日 東京都議選
のすべてで菅自公が実質的敗北を重ねてきた。
衆院総選挙は9月から11月の間に実施される。
コロナ緊急事態宣言の期間が延長され、9月中の衆院総選挙は不可能な情勢。
自民党は8月26日に総裁選日程を決定する見込みだが、党規定に基けば総裁
選は9月20日から29日までの間に投票日が設定されることになる。
の。
菅義偉氏で総選挙を戦えないとの見方が強まれば、総選挙前の総裁選実施にな
る。
その判断のカギを握るのが8月22日投開票の横浜市長選だ。
る。
対して
「小此木八郎をお願いします」
と呼びかけた。
となっている。
態。
立憲民主党は山中武春氏を推薦している。
情勢調査では山中氏、小此木氏、林氏の3人が先行しているとのこと。
日本政治刷新を求める市民は、この選挙にどう対応するべきだ。
立憲民主党の候補擁立過程に不透明感もあり、反自公陣営の足並みが乱れてい
るが、今後の国政への影響を踏まえた戦術的対応が求められる。
共産党は山中氏支援の姿勢を示している。
党共闘確立。
この意味で菅義偉氏が総力を注ぐ小此木氏を落選させて野党候補者を当選させ
ることは極めて重要になる。
その野党候補者が立憲と共産の統一支援候補であれば意味は極めて大きい。
さまざまな複雑要因があるが、この局面では戦術的対応に徹して山中氏当選に
向けて総力を結集することが求められると考える。
次の総選挙を戦うには菅義偉氏を温存した方が良策ではないかとの見解もあ
る。
せて衆院選に持ち込む方が得策との考えだ。
しかし、悪政は可能な限り早期に除去するのが筋である。
「策士策に溺れる」の言葉もある。
菅義偉氏の為政に国民の不信と不満が爆発している。
コロナ感染が爆発したのも菅義偉氏の失政のためである。
変異株に対する水際対策を妨害してきたこと。
Gotoトラブル政策を推進してきたこと。
そして、何より
五輪開催を強行したことが大きい。
五輪を有観客で開催した県で感染が爆発している。
宮城県はまん延防止等重点措置の発出を国に求める状況。
静岡県は緊急事態宣言発出を国に求める状況だ。
茨城県も緊急事態宣言発出を国に求める状況だ。
五輪を全面的に有観客にしていたらと考えるだけで身の毛がよだつ。
「国民の命と健康」が最優先なら五輪開催強行はあり得なかった。
菅義偉氏は「国民の命と健康が最優先」と言いながら、自分とIOC、組織委
員会の利益を優先した。
国民に対する背信だ。
五輪を開催してしまえば国民は五輪に引き付けられて内閣支持率が上がる。
こう高を括っていた。
五輪は人々を引き付けるスポーツ興行だから人々は五輪に引き付けられたが、
そのことと菅内閣への評価は賢明に切り分けている。
五輪を娯楽として楽しんだが、菅内閣の失政を容認してはいない。
最大の問題は五輪開催強行で人々の行動抑制のたがが外れたこと。
「五輪強行で行動抑制のたがが外れた」
五輪開催を強行しておいて「不要不急の外出をするな」の言葉は通用しない。
しかも、不要不急であるかどうかは「自身で判断すること」なのだそうだ。
市民が各自で判断して外出、旅行、飲食する以上、政府は何も言えない。
実際に五輪開催強行で、緊急事態宣言発出後も人流拡大が続いてきた。
唯一、人流拡大の抑制要因となっているのは悪天候。
悪天候だけが人流抑制に貢献しているのが現状だ。
菅義偉氏は感染爆発を招いておきながら、何とかの一つ覚えのように「ワクチ
ン」と叫び続けている。
世界標準では叫ぶ時期が大幅に遅れたが、これにすべてを託している。
しかし、そのワクチンが「切り札」ではなく「札付き」なのだ。
日本のコロナ死者は1万5000人強。
全人口の0.012%。
感染が拡大していない地方ではこの確率は0.00015%にまで下がる。
他方、ワクチン接種後急死者、ワクチン接種後重篤化者が驚くべき多数に達し
ている。
ワクチン接種後急死確率は0.0019%、ワクチン接種後重篤化確率は0.
007%に達している。
中日ドラゴンズの27歳の現役野球選手がワクチン接種の8日後に倒れて、そ
の後亡くなった。
政府は因果関係を認めない。
しかし、「因果関係がある」と認定していないだけで、「因果関係がない」と
も認定していない。
大量のワクチン接種後急死者、ワクチン接種後重篤化者が発生しているが、そ
のほとんどについて政府は「因果関係がない」と認定していない。
「因果関係がある」可能性は否定されていない。
ワクチンの有効性への強い疑義も提示されている。
変異株の一部はワクチン有効性を著しく引き下げている。
賢明な人の多くはワクチンを接種しないから日本におけるワクチン接種率はあ
まり上昇しないと考えられる。
いま何よりも求められていることは有害な菅内閣を退場させること。
横浜市長選では野党候補勝利に向けて戦術的対応が求められる。
帯津良一氏
冷たいものに注意! でもビールはやめぬ帯津医師の「夏の過ごし方」〈週刊朝日〉
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回は「暑い夏の過ごし方」。
* * *
【養生訓】ポイント
(1)貝原益軒の『養生訓』にも夏は保養すべきとある
(2)少なめに飲食、冷たい生ものをさけて、冷水もNG
(3)でも、冷えたビールと冷たい生ガキはやめられない
今年の夏も暑いですね。暑い夏は体の調子を崩しがちなので、注意が必要です。貝原益軒の『養生訓』巻第六(慎病)にもこう書かれています。
「四季の中で夏はもっとも保養に心がけなければならない。霍乱(=かくらん、暑気あたりの諸病)・中暑(暑気あたり)・傷食(食べすぎ)・排瀉(下痢と嘔吐=おうと)・瘧痢(熱をともなう下痢)などにかかりやすい。冷えた生ものの飲食を禁じて、注意して保養するがよい。夏にこれらの病気になると、元気を失い衰弱してしまう」(『養生訓 全現代語訳』伊藤友信訳、講談社学術文庫)
益軒は具体的な注意をいくつも挙げています。
(1)「涼風に長く当たってはいけない。入浴したあとで、風に当たってはいけない」。これは汗が出て人間の皮膚が開くために、外邪が侵入しやすいからだというのです。
(2)「なるべく少なめに飲食するのがよい」。夏は陰気が体内にかくれているため食物の消化がおそいからだといいます。
(3)「温かいものを食べて脾胃をあたためるがよい。冷水を飲んではいけない。冷たい生ものはすべてよくない。冷えた麺も多く食べてはいけない」。夏には冷たい素麺(そうめん)などが人気ですが、これも食べすぎるなとのことです。
(4)「冷水に浴してはいけない。ひどく暑いときも、冷水で洗面すると眼をわるくする。冷水で手足を洗ってもいけない」。冷たい水は全面的によくないようです。
(5)「睡眠中には、ひとに扇であおがせてはいけない。扇の弱い風でもわるい。風に当たって寝てはいけない。夜、外で寝てはいけない」。もし江戸時代にエアコンがあったなら、つけっ放しで寝るなど、もってのほかと言ったでしょう。このほか「夜、外気の中に長く座って夜露に当たるのは害になる」「酷暑のときでも涼しすぎてはいけない」などと語っています。
益軒の注意事項は厳しすぎるところもありますが、現代の医学的見解と照らし合わせても、概(おおむ)ね納得できる内容です。
ちなみに、私は昼食のあとに、椅子に座ったまま、両足を机の上に投げ出して、ひと眠りすることがあるのですが、冷房の利いた部屋では寝ないようにしています。
食事は夏に限らず、好きなものを少しだけ食べるのがモットーです。しかも、晩酌のつまみは夏でも温かいものが好きで、冷ややっこは食べずに、もっぱら湯豆腐です。冷たい麺は食べません。
ただ、最初に冷えたビールをぐっと飲むことはやめられませんね。また、生ガキが大好きなんです。夏は岩ガキ。これは冷たくないとダメですね。
というわけで、益軒先生の教えに忠実というわけではないのですが、大体のところ、実行しています。まあ、自分ができる範囲で気をつけるというので、ちょうどいいのではないでしょうか。
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中
※週刊朝日 2021年8月20‐27日号
がん治療に関して・・・
がん治療での日本と世界の乖離 日本で「手術」が多く「放射線治療」が少ない背景
日本でのがん治療では手術が多いという
国民皆保険という制度により、誰もが平等に、安心して医療を受けられる日本。しかし、その裏で、世界の常識と日本の常識がかけ離れている一面もある。特に、がん治療においては、日本だけが手術の数が圧倒的に多いという不可解な現状があるという──。
日本人の半数以上が一生に一度は経験するという、がん。家族が患うことも考えれば、もはや、まったくかかわりのない人はいないといっていいだろう。しかし、ひと昔前は“不治の病”といわれていたが、現代では医療の進歩によって通常の生活を取り戻す人もかなり増えてきている。がんに罹患することと、それを治療することは切っても切り離せず、治療法の選択によっては、その後の人生に悔いを残すこともあるようだ。
千葉県に住む主婦の飯田文子さん(65才・仮名)は、15年前に受けた子宮頸がんの手術について、「いまでも心に引っかかるものがある」と明かす。
「早期の子宮頸がんだとわかり、担当医師からは手術を提案されました。自分なりに調べたところ、放射線治療の方が副作用が少なく、体への負担も軽いと知ったのですが、医師は一方的に治療法を決め、母と夫までもがそろって『放射線治療は危ない』と、原爆の後遺症の恐ろしさを持ち出して頭ごなしに猛反対されました。
外科手術を受け、その後も元気に暮らしているので結果的によかったですが、患者本人である私の話を誰も聞いてくれなかったことへのショックがいまも残っています」
もちろん、命が助かること以上の望みはない。しかし、日本では手術が一般的であるのに対し、欧米では早期の子宮頸がんの8割が放射線や抗がん剤による治療だ。年齢や体力、その後の生活を考えたとき、外科手術がつねにベストなのか考慮し、ほかの治療法を検討するのはごく自然なことといえる。
「生存率が下がっても手術は避けたい」の声
日本では“外科手術至上主義”ともいうべき現状がある。それを示すこんな調査がある。先進国における肺がん(ステージI)の患者が受けた治療を調査したものだ。その数字を目で追うと、不思議なことに気づく。アメリカでは手術が60%に対し放射線治療が25%。イギリスでは手術が53%、放射線が12%。オランダでは手術が47%、放射線が41%などとなっているのに比べ、日本では手術が95%、放射線治療は5%と、出術の割合が大きいのだ。
諸外国と日本の差について、大船中央病院放射線治療センター長で医師の武田篤也さんが言う。
「それぞれの国で行われている治療法の違いには、各国の健康保険制度の有無や国策なども関係しているのではないかと推測できます。日本における手術の割合がここまで多いのは、唯一の被爆国として知らず知らずのうちに植えつけられた放射線に対する抵抗感が関係しているのかもしれません」
さらに、武田さんは医師の専門分野ごとの気質の差も一因ではないかとし、こう説明を続ける。
「あくまで肌感覚ですが、同じ医師でも外科医、内科医、放射線治療医では性格が違う。すなわち、外科医は体育会系で元気がいいタイプ。内科医は頭がよくて明晰な人が多い。それに対して放射線治療医は、よく言えば患者に寄り添うタイプ、悪く言えば優柔不断な人が多いように思える。それは学会のあり方にも表れており、外科や内科の学会は全国の治療成績を公表しているが、放射線治療科ではそれを行っていません」
がんが発見され、さまざまな検査を経て病気のステージングを決定するまでは、患者の対応は主に内科医の仕事となる。そこで、手術が最善の治療であると判断されれば、患者は放射線治療医に話を聞く機会すら与えられないことも多いという。
たとえば、スポーツマン風の外科医に爽やかな笑顔で「切っちゃいましょう」と言われ、そのまま従ってしまう患者もいるだろう。一方、放射線治療医があまりアピールが得意でない場合は、患者に説明する機会が与えられないという可能性もある。あるいは、患者自身が「手術が根治治療、放射線は緩和治療」と考えているケースもある。海外では手術と放射線治療が同等レベルの選択肢として存在しているのに、日本では必ずしもそうではないのかもしれない。
手術の負担の大きさを嫌う人は多い
とはいえ、放射線治療のメリットは小さくない。先の各国調査でいう「放射線治療」とは、「体幹部定位放射線治療」という治療法を指している。これはピンポイントでがんの部位だけを焼くような手法のことだ。前出の調査の対象となった肺がんに限らず、肝臓がんや前立腺がんなどでも行われ、保険適用である。メスを入れて体の組織を切除するわけではないため、体への負担が少なく、入院も不要なことが多い。
「仕事までの復帰期間も異なります。早期肺がんの体幹部定位放射線治療であれば通院で5回、1回30分程度なので5日ほど会社を半休するくらい。手術の場合はオペ自体が3時間ほど、入院期間は1週間ほど。自宅静養も含めると1か月ほど仕事を休むことになります」(武田さん)
仕事への支障がここまで減らせるなら、手術は避けたいと考えるのも普通だろう。
「私たちが手術と放射線治療の両方を受けたことがある人を対象に『どちらの治療を受けたいか』とアンケートを行ったところ、生存率が同等ならばほとんどの人が放射線治療を受けたいと回答しました。80才以上にいたっては、『生存率が20%低下したとしても放射線治療を選ぶ』と答えた人が半数を軽く超えており、手術による負担が患者にとっていかに大きいかを考えさせられます」(武田さん)
患者の本音に耳を傾ければ、こんなにも多くの人が手術を避けたがっていることがわかる。それなのに、これほどまで多くの日本人が手術を受けることを余儀なくされるのはなぜだろうか。医療経済ジャーナリストの室井一辰さんはこんな見立てをする。
「日本ではいまも外科医が強いという土壌がある。それはがん治療においても同様で、近年でこそ腫瘍内科という専門科ができましたが、歴史的に見れば外科医が抗がん剤治療をしていたくらいです。ですが、最近の医療技術の発達は目を見張るものがあり、薬物療法、放射線や重粒子線など、外科医が片手間でできなくなってきています」
「手術は執刀医だけで行えるものではなく、手術の補助、熟練の麻酔医や看護師も必須。手術後のリハビリも必要で、いろいろ人手がかかりコストもかかる。その点において放射線は体を切らない分、人件費を絞りやすい。
海外では国民皆保険の国は少なく、日本ほど医療費をかけられず、そもそもの手術費用も日本より高い。手術での治療をしたくても日本ほど気軽に受けられないというのも本音なのです」
武田さんも言い添える。
そもそも標準治療とは“比較試験により生存率が最も高いことが証明された治療法”なわけですが、その比較試験は体力のある患者さんを対象としたもの。患者さんの体調や併せ持つ持病、年齢、嗜好まではあまり考慮されていません。皆保険制度によってベターな選択にはなっていますが、患者個人にとってベストかはまた別、というのが現状です」
QOLを最優先する選択があってもいい
日本の多くのがん治療では、外科手術が標準治療として推奨され、命が助かるかどうかを基準に考えれば、手術の方が選ばれやすくなるのは否めない。
「ただし、手術を受けた方がQOL(生活の質)が低下することは考えられます。食道を切除した患者さんが食後に横になることもできず、不自由な思いをすることもある。それならば、放射線治療を選んだ方が、自分らしい生き方ができたかもしれない。また、喉頭がんなどでは、切除手術をしたことによって会話ができなくなることもある。がんは、ただ治療すればいいのではなく、本人の生き方に沿う多様性が重要になっています」(室井さん)
海外では、コストのかかる手術を経済的な理由で受けられない場合があることはすでに論じた。だが、それだけでなく、医師と患者が納得して治療法を決めていることも、放射線治療と手術の割合が拮抗していることに関係すると考えられる。室井さんが言う。
「医師側から患者に病状や治療法を説明する“インフォームドコンセント”ではなく、医師が患者の治療選択を助ける形での意思決定が大事。残念ながら、日本ではアメリカのような“患者による意思決定”ができておらず、手術が選ばれている一面があることは事実です。さらにいうと、日本は国民皆保険なので、医師が患者に説明したからといって医師の収入につながらないという問題もある。
日本人は“タダ”や“お得”を好む国民ですが、本来、命を左右する医療に関してまでお得さを求めるのは、おかしな話です」
武田さんも、患者側の問題をこう指摘する。
「最近は、医師と協力して話し合いをした上で決めたいとか、個人的にインターネットなどで情報収集をして意思決定するなどのケースも増えてきていますが、圧倒的に多いのは『治療法は医師に決めてほしい』という、旧来の医師と患者の関係を求める人たちです」
医師任せにすると、何か問題が起きた場合、後悔や恨みが残ることが多い。とはいえ、自分で選択するとなると、迷いが生じることもある。
「最近は病院にセカンドオピニオンの窓口が準備されていることも多い。治療法を迷った場合、腫瘍内科医などに意見を聞くのもひとつの案です」(室井さん)
生き方が多様化する現代では、「どう生きたいか」を優先し、自ら治療法を選ぶことも一考すべき時期に来ているといえる。
※女性セブン2021年8月19・26日号
以上です。今日は量子物理学は休みにして、また明日・・・・・です!