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会員のみなさま 1539                     後醍院 廣幸
 
おはようございます。本日は2021年10月17日(日)、現在は朝の7時20分です。
 
 天気予報通りにもう降雨が始まっています。それでも今晩から明日一日中は好天
が予想されています。また、翌19日と20日は雨マークが付いていますが、秋の天気
特有の変わり身が早いのが特徴ですのでどうなる事やら?です。
 
 コロナ感染ですが、都で66人、大阪でも78人と出て、全国では509人まで減って
来ました。我が千葉県あたりは何と9人と出ています。このぐらいだとコロナ禍自体が
収束の感と言えそうです。
 それでも、何故ここまで感染数が急減したのかははっきりはしていません。一応、
専門家の意見を聞いておきましょう!
 
 
感染者数なぜ急減?  ワクチン効果、行動変化など 専門家「複合的要因」
 
 新規感染者数が過去最多となった新型コロナウイルス「第5波」は、9月に入って急激に収束した。
 
 厚生労働省の専門家組織が感染者減の理由を分析しているが、明確な理由は分かっていない。専門家は、ワクチン接種の効果や国民の行動変化など、複合的な要因だと指摘する。
 第5波では、8月20日に全国の1日当たりの新規感染者が過去最多の2万5866人を記録。その後は減少し、今月3日には1000人を下回った。東京都では8月13日の5773人をピークに、今月4日は100人を割り込み、昨年6月ごろの水準まで下がった。
 
 この間にはワクチン接種も進んだ。9月13日には接種を終えた人が全人口の半数となり、今月15日時点では66.1%に上る。少なくとも1回目を打った人は74.7%で、ほぼ4人に3人に達した。
 
 ワクチンについては、複数の調査で高い効果が示唆されている。厚労省専門家組織で示された推計では、ワクチン接種で3~9月に感染を抑えられたのは約65万人で、約7200人の死亡が回避されたという。
 
 和歌山県の調査では、7~9月に感染した接種完了者計235人のうち、81%が他人にうつす「二次感染」を起こしていなかった。未接種または1回のみ接種の感染者では72%で、同県はワクチンを「地域での感染拡大防止に効果がある」と評価した。
 
 東京医科大の浜田篤郎特任教授(渡航医学)は収束の背景として、複合的な要因を指摘する。ワクチン接種の進展に加え、東京五輪終了後の8月中旬ごろ、報道などで感染者の多さを知った人たちが感染リスクの高い行動を自粛したことを挙げる。8月下旬から暑さが和らぎ、部屋を適切に換気するようになったことなども考えられるという。
 
 浜田氏はまた、9月以降は感染者数が世界的にも減り始めたとした上で、「デルタ株はこれまでよりも感染力は強くなったが、病原性(発症させる力)が弱くなった可能性もある」と分析。「デルタ株まん延により、感染者は今も一定数存在するが無症状のため検査を受けておらず、減ったように見えているのかもしれない」と話した。 
 
   以上です。
 
 
次にいつもの植草氏の記事です。
 
 
 
植草一秀の『知られざる真実』」
 
                           2021/10/16
 
                「従順証明」と改称すべき「接種証明」
 
                第3055号
「ワクチン接種証明・陰性証明パッケージ」なるものがなし崩しで導入されて
いるが、非科学的な施策は廃止されなければならない。
 
ワクチン接種を受けたことにどのような意味があるのか。
 
ワクチン接種を受ければコロナに感染しないのか。
 
ワクチン接種を受ければ他人をコロナに感染させないのか。
 
ワクチン接種を受ければ他者に害を与えないのか。
 
すべてNOである。
 
ワクチン接種を受けてもコロナに感染する。
 
ワクチン接種を受けても他者を感染させる。
 
ワクチン接種を受けていることに特別な意味がない。
 
中和抗体の量も摂取後3ヵ月も経過すれば大幅に減少する。
 
「ワクチン接種」は「安全の証明」にならない。
 
ところが、政府は「ワクチン接種」または「陰性証明」のある者に対してだ
け、各種優遇措置を施すことを目論んでいる。
 
他者を感染させない目的とするなら、「陰性証明」に一定の意味はあるだろ
う。
「陰性証明」は当該期日から3日以内のものを有効とするという。
 
「接種証明」に代えて「陰性証明」を用いる場合、その都度、3日以内の「陰
性証明」を取得しなければならない。
 
「ワクチン接種」を公費で実施していることを踏まえると、「陰性証明」のた
めの「検査費用」と「陰性証明書発行費用」は公費で負担する必要がある。
 
「接種証明」は「安全の証明」の意味を持たないから廃止する必要がある。
 
「陰性証明」だけにする場合、検査費用と陰性証明書発行費用を公費負担にす
る必要がある。
 
同時に、いつでもどこでも無料で何回でもPCR検査を受けることの出来る環
境を整備する必要がある。
 
しかし、その費用は膨大なものになるだろう。
 
国民にワクチン接種を強要するために「接種証明」を活用することは許されな
い。
 
厚労省サイトに新型コロナワクチン接種に関する解説が示されている。
 
新型コロナワクチンQ&Aを閲覧して、この記述にたどり着く人は少ないはず
だ。
 
サイトのトップ画面などに分かりやすく表示されていないからだ。
 
厚労省の新型コロナワクチンQ&Aページの「メニュー」をクリックすると、
Q&Aの項目が選択できるようになっているが、その項目のなかの「その他」
をクリックしなければ、義務規定に関する記述を閲覧することができない。
 
Q.今回のワクチン接種の「努力義務」とは何ですか。
 
が表示される。
 
「「接種を受けるよう努めなければならない」という予防接種法の規定のこと
で、義務とは異なります。感染症の緊急のまん延予防の観点から、皆様に接種
にご協力をいただきたいという趣旨から、このような規定があります。」
 
と記述され、さらに「詳細を見る」をクリックすると次の記述が登場する。
 
「今回の予防接種は感染症の緊急のまん延予防の観点から実施するものであ
り、国民の皆様にも接種にご協力をいただきたいという趣旨で、「接種を受け
るよう努めなければならない」という、予防接種法第9条の規定が適用されて
います。
 
この規定のことは、いわゆる「努力義務」と呼ばれていますが、義務とは異な
ります。
 
接種は強制ではなく、最終的には、あくまでも、ご本人が納得した上で接種を
ご判断いただくことになります。」
 
つまり、ワクチン接種は義務でなく、本人が納得した上で、接種を受けるか受
けないかを判断する。
 
完全な「任意制」なのだ。
 
厚労省の新型コロナワクチンサイトでは、トップページに、何よりも重要なこ
の事実を明記するべきだ。
 
各個人が個別に判断して接種を受けるか受けないかを判断する。
 
「任意制」であることを最優先で周知させる必要がある。
 
「任意制」であるワクチン接種に関して、国がワクチン接種した者だけに対し
て利益を供与することは日本国憲法第14条の「法の下の平等」に反するもの
であり、直ちに撤回することが求められる。
 
新型コロナワクチンを予防接種法適用対象にする法改正の際に附帯決議が採択
され可決されている。
 
附帯決議に次のように明記された。
 
一 新型コロナウイルスワクチンの接種の判断が適切になされるよう、ワクチ
ンの安全性及び有効性、接種した場合のリスクとベネフィットその他の接種の
判断に必要な情報を迅速かつ的確に公表するとともに、接種するかしないかは
国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること。
 
二 新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別、いじ
め、職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないこと
を広報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと。
 
五 新型コロナウイルスワクチンによる副反応を疑う事象について、広く相談
窓口を設置し、国民に周知すること。また、海外における情報も含め、医療機
関又は製造販売業者等から迅速に情報を把握し、情報公開を徹底するととも
に、健康被害が拡大することのないよう、的確に対応すること。
 
これは一部抜粋だが、極めて重要な事項が決議されている。
 
とりわけ重要なのが
 
「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知す
ること」
 
新型コロナウイルスワクチンを接種していない者に対して、差別、いじめ、
職場や学校等における不利益取扱い等は決して許されるものではないことを広
報等により周知徹底するなど必要な対応を行うこと」
 
新型コロナウイルスワクチンによる副反応を疑う事象について、広く相談窓
口を設置し、国民に周知すること」
ワクチン接種を受けても感染するし、他者を感染させる。
 
したがって、「ワクチン接種」は「安全の証明」にならない。
 
それにもかかわらず、各種行動規制緩和、税金投入での優遇措置利用可否に際
して「接種証明」を用いるのはなぜか。
 
論理的に説明がつかない。
 
「接種証明」は国の方針に対する「従順証明」、「服従証明」、「忠誠証明」
でしかない。
 
この意味で用いるのなら名称を変更するべきだ。
 
「忠誠証明」または「服従証明」とするべきだ。
 
しかし、ワクチン接種を受けていない者に対する「不利益取扱い」は許されな
い。
 
日本国憲法第14条が定める「法の下の平等」に反する。
 
最大の問題はワクチンリスクが極めて重大であるとのエビデンスが提示されて
いること。
 
新型コロナワクチン接種後急死者数が以上に多いのだ。
 
すでに1200名を超える接種後急死者数が確認されている。
 
接種後重篤化者数は4700人を超えている。
 
接種人数当たりの急死者数は季節性インフルエンザワクチンと比較して300
倍程度に達している。
 
政府は「因果関係がある」とされていないと主張するが、
 
「因果関係がない」ともされていない。
 
現時点で因果関係を「評価できない」とされているだけ。
 
薬害を根絶するために「予防原則」を採用するなら、
 
「因果関係がない」と確認されるまで接種を凍結するべきことは当然。
 
現在の政府の対応は、
 
「因果関係がある」と確認されるまでは接種し続ける、というもの。
 
サリドマイドHIV等の薬害事件を踏まえて、厚労省厚労省敷地内に
 
「薬害根絶「誓いの碑」」を建立した。
 
「誓いの碑」を建立した8月24日を「薬害根絶デー」としている。
 
厚労省は「薬害根絶の誓い」を放棄するのか。
 
野党各党はこの問題に対して厳しい追及を行うべきだ。
 
野党の無為無策が続くなかで、市民が法的対応を示している。
 
「反ワクチン訴訟」が提起されている。
 
この訴訟指揮に起用されたのが東京地裁の春名茂判事。
 
10月12日の第1回口頭弁論では、原告側の意見陳述で、代理人の木原功仁
哉(くにや)弁護士が次期衆院選での自らの立候補に言及すると、警備員に
よって力ずくで法廷の外に出されるという事態が発生した。
 
この点について、「反ジャーナリスト」の高橋清隆氏がブログ記事に詳細を記
述されているので、ご高覧されたい。
 
10月15日に開かれた「種子法廃止違憲確認訴訟」の第5回口頭弁論では裁
判長交代に伴う更新手続きが行われたが、新たに裁判長に就任したのが春名茂
判事。
 
二つの重要な行政訴訟の指揮がなぜ春名茂判事に委ねられたのか。
 
春名茂判事の訴訟指揮に最大の警戒を払う必要が生まれている。
 
 
 本日は週末なので、日刊ゲンダイ五木寛之氏と敵菜収・井筒和幸三枝成彰の3氏の
記述を貼り付けます。
 
 
 
 
 
連載11236回 ニュー・ノーマルの風景 <1>
 
公開日:2021/10/11 17:00 更新日:2021/10/11 17:00
 
 今朝、ちかくの公園を散歩していたら、おなじく散策中の人たち何人かとすれちがった。
  驚いたことに、それらの人たちが全員、下を向いて歩いていたのだ。
  うなだれて歩いているわけではない。要するに手に持ったスマホを見ながら歩いているのである。歩行中、スマホを高くかざして見る人はいない。ほとんどすべての行き交う人々が、うつむいてスマホを見ながら歩いていたのだ。
  わざわざ公園まできて散歩をしているのに、歩きながらスマホを見る必要などなさそうなものだが、そうでもないらしい。
  そういえば先日、新幹線に乗ったときもそうだった。まだコロナ蔓延中だったこともあって、車内には私を含めて9人の乗客しかいなかった。
  驚いたことに、その中で私をのぞく8人が全員スマホを眺めていたのである。
  私も一応、携帯電話は持っている。しかし、外出するときは部屋に置いて出かけるので、ぜんぜん携帯ではない。携帯しないのだから、固定電話と同じことだ。
  スマホが便利なことは、人が使っているのを見てよくわかる。編集者と話をしていても、なにかといえばスマホを操作するのが日常の習慣のようになってきた。
「ほら、あのローレンスの『チャタレイ夫人の恋人』を訳した作家、えーと、名前が出てこない、たしか――」
  などと言おうものなら、その場にいた全員がサッとスマホを取り出し、打てば響くように、
「はい、伊藤整ですね。10万円の罰金刑になった人です」
「それは新潮文庫のほうで、講談社文庫にはいっているのは羽矢謙一訳のほうですね」
  などと、口々に教えてくれるのだ。
  もし、スマホがなかったらどうだろうか。伊藤整という人は、私たちが若い頃は、知的な文学者として評論でも活躍していた有名作家だった。いまは廃止になったらしいが、伊藤整文学賞という賞もあって、これはなかなかいい賞だった。『鳴海仙吉』とか、『若い詩人の肖像』などという作品を読んだ記憶がある。
  それにしても、もしスマホがなかったとしたら、話が続いたかどうか心配だ。
  そんなふうに頭の中の仕組みを、スマホに托してしまっていいものだろうかと、いささか不安になってくるのは、旧世代の取り越し苦労というべきか。スマホはすでに私たちの頭脳の一部なのだろう。
  (この項つづく)
 
連載11237回 ニュー・ノーマルの風景 <2>
 
公開日:2021/10/12 17:00 更新日:2021/10/12 17:00
 
(昨日のつづき)
  先週末、NHKの放送センターへ出かけて、夜のラジオ番組の録音をした。
  金田一秀穂先生がパーソナリティーをつとめる『謎解きうたことば』という夜の番組である。
  ラジオのパーソナリティーというのは、テレビとちがって、自分一人で番組を切り盛りしなければならない。進行の配慮も必要だし、かなり大変な仕事なのである。
  しかし、金田一先生は、しごく淡々と、ふだんの会話のように上手に番組をこなしていた。
  ボソボソと喋っておられるのだが、要を得て、すこぶるスムーズに番組が進行していく。
  そのラジオ番組は、基本的に音楽、それも歌に比重をおいて、ゲストの仕事や発想に迫るといった趣旨だった。かなりの長命番組で、これまで出演したゲストが凄い。井上陽水をはじめ、名だたるミュージシャン、作曲家や作詞者が招かれている。
  私のように遊び半分のアマチュアがでしゃばっていいのだろうかと心配だったが、そこは上手に掌の上にのせて転がしてくれた。
  番組の中で、私がむかし手がけた歌を何曲も紹介されて、自分が書いた歌にもかかわらず、とても懐しかった。ほとんどが昭和の歌が中心だが、わずかに最近作としてミッツ・マングローブのうたった『東京タワー』がはいっている。
  思えばこれまでいろんな曲を作曲してもらった音楽家たちは、ほとんど世を去ってしまった。
『旅の終りに』の作曲家、菊池俊輔さん、『燃える秋』の武満徹さん、『星をさがそう』の越部信義さん、『鳳仙情歌』の小林亜星さん、映画「戒厳令の夜」のテーマ曲『哀しみのフローレンス』のジョー山中さん、『青年は荒野をめざす』の加藤和彦さん、などなど。
  二晩にまたがる番組なので、結構、何曲も披露できたが、なかでもあまり人に知られていない曲もあった。藤圭子のうたった『旅の終りに』などもその一つである。これはミュージックボックス『歌いながら歩いてきた』(日本コロムビア)に収録したもので、ほとんど誰も知らない稀覯版だ。
  また尾崎紀世彦のうたった『内灘愁歌』は、市販レコードには入っていない歌で、ほとんど知る人のいない曲だろう。
  エンターテインメントの世界では、50年前の小説が陽の目を見ることはめずらしい。だが流れ去る流行歌は、こうして紹介されることがある。昭和歌謡から現在のヒット曲まで、歌の世界の広さ大きさは、コロナ以後の時代にも続いていくのだろうか。ちなみに放送日は、10月23日と24日の2夜に渡って、時間は午後11時台と午前0時台より。
  (この項つづく)
 
連載11238回 ニュー・ノーマルの風景 <3>
 
公開日:2021/10/13 17:00 更新日:2021/10/13 17:00
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(昨日のつづき)
  昨日のこの欄で紹介したミュージックBOX『歌いながら歩いてきた』について、問い合わせがいろいろあったので、簡単に説明させていただく。
  このミュージックBOXは、私の「音楽・歌・ラジオ・TV」などについての60年間の仕事の一端を集約したものだ。
  20代の後半からメディアにかかわる仕事を転々とするなかで、開局まもない当時のラジオ関東(えらくとんがった新興ラジオ局として、ラジ関の名で若者たちに絶大な人気があった局である)や文化放送の仕事を通じて、CMソングの世界に足を踏み入れることになった。CMソングのほかに、普通の歌(というと変だが)もいろいろ試みた。
  当時、高井達雄さんなどと一緒に、新しい歌づくりにチャレンジしていたのである。高井さんは『鉄腕アトム』の音楽で大ヒットする。当時、私が書いた歌をうたってくれたのは、安田章子さん(のちの由紀さおり)、ペギー葉山さんなどがいた。
  その頃のCMソングのいくつかと、童謡、ホームソングなどをセレクトして、ミュージックBOXに収録したのは、当時の思い出のよすがである。
  やがて作家デビューをはたしたのちに、ラジオ番組のパーソナリティーもつとめることとなる。TBSラジオの『五木寛之の夜』という夜の番組がそれだった。
  当時はラジオの最も活気のあった時代である。『パックイン・ミュージック』なども、すごくホットな番組だった。そのなかにまじって、九州弁の私が番組を持ったのだから、これも時代の流れというべきだろうか。
  その時のオープニングトークや、ナレーション、また石黒ケイの当初の主題曲などが見つかったので、当時の空気を知るよすがにもなるかと、『ミュージックBOX』に再録した。1970年代の雰囲気がナマで伝わってくる録音である。けだし珍盤というべきか。
  スタート当時は、夜の9時台の放送だった。石黒ケイの主題歌のタイトルが『土曜日の夜の九時』となっているのは、そのためである。のちに時間帯が変って、主題曲も『哀しみのフローレンス』(ジョー山中作曲)に変った。
  いずれにせよ、1970年代のホットな空気が、セピア色というのではなく、黒々と漂ってくる音源だ。ミュージックBOX『歌いながら歩いてきた』(日本コロムビア)の紹介、およそくだんのごとし。
  (この項つづく)
 
連載11239回 ニュー・ノーマルの風景 <4>
 
公開日:2021/10/14 17:00 更新日:2021/10/14 17:00
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(昨日のつづき)
  マスク生活が定着したのはいいが、初対面の相手の顔がおぼえられなくて困っている。
「どうぞよろしく」
  と、名刺交換をしても、
「ちょっとマスクを外して、お顔を拝見できませんか」
  などとは言いにくい。
  頭のかたちと、額と、耳でおぼえるしかないから大変である。なかなか繊細な感じの人だと思っていたのが、マスクを外してみると、野性味あふれる獰猛なタイプだった、などということもないわけではない。
  一緒に食事でもすれば、顔の全容がわかるのだが、立ったままの名刺交換では、相手の肩書きと名前ぐらいしか記憶できないのが困りものだ。
  もし自分が生後まもない幼児だったらどうだろう。母親のイメージは常にマスクで下半分がおおわれた顔である。それが普通の母親のイメージとして記憶に焼きついてしまっていたなら、何かの拍子にマスクなしの母親の顔を見て、これは一体だれだろうと思いかねない。
  私もすっかりマスク生活に慣れてしまい、室内でもマスクを外さない場合もある。乾燥した部屋で寝るときは、マスクをして寝るときもある。喉が乾いて息苦しい場合があるからだ。
  コロナが去ったとしても、インフルエンザの季節である。当分のあいだマスクとは縁が切れそうにはないような気がする。
  マスクをつけている時の解放感は、特別なものである。書店で、きわどいグラビア雑誌なども堂々と立ち読みもできるし、そのほかいろんな効用がある。
  昔、タクシーに乗ったら、
「作家サンですよね。今度の芥川賞、どう思われますか」
  と、ドライバー氏にきかれたことがあった。
「いや、ぼくは直木賞のほうなので――」
  と、言葉を濁したものの、いろいろきかれるので、途中で降りたことがあった。マスクをしていると、まあ、そんなことはあまりないから安心である。
  マスクに裏と表があることは最近になって知った。
「イツキさん、マスクが裏です」
  と指摘されて、
「え? マスクに裏表があるの?」
  と、きき返して笑われたのだ。世の中はどこでもウラとオモテがあるものらしい。
  (この項つづく)
 
連載11240回 ニュー・ノーマルの風景 <5>
 
公開日:2021/10/15 17:00 更新日:2021/10/15 17:00
(昨日のつづき)
  造語というのは、新しい言葉を勝手に作ることである。言い替えというのは、事実をゴマ化すために造語することだ。
  戦争の時代、いろんな言葉が言い替えられた。有名な例は全滅を「玉砕」といい、退却を「転戦」と称したことである。戦死者を「軍神」と呼び、戦死を「散華」と呼んだのはそれなりに理由があるだろう。
  武器輸出を「装備品移転」と称したのは、かなり無理があった。
  コロナの流行とともに「人流」という聞きなれない言葉がマスコミに氾濫した。最初はなんだろうと首をひねっていたが、やがて人出のことだと気がついた。
「昨日は人出が増えた」でいいのに、どうして「人流」などという言葉を使うのだろうか。
  このところ言葉の使い方に躊躇することがしばしばある。昔は当り前だった表現が、ひょっとすると今の読者には伝わらないのではないか、と迷うことがあるのだ。
  片岡義男さんが新聞に連載している自叙伝ふうの記事で、「雀の涙」という言い方について、興味ぶかいことを書いていた。
  たしかに私たちの世代は「雀の涙ほどのギャラしかくれなかった」などと、ふだんの会話の中で当り前のように使う。
  しかし、たぶん若い世代にとっては、なんのことだかわからない人たちもいるのではあるまいか。
「雀の涙」とは、「ほんのちょっぴり」といった感じの語感である。しかし、よく考えてみると、はたして雀が涙をこぼすのか、もしこぼすとしても、その量が微少なものであるかどうかは確かめたことがない。
  そもそも雀が涙ぐむかどうかさえ知らないのである。長年にわたって使い続けられた慣用句として無意識に使っているだけだ。
  何か文章を書いて発表する以上は、同世代以外の読者にも読んでもらいたいと思うのは当然である。「雀の涙ほどの」と書いてごく自然に理解できる世代は、ひょっとしたらごく一部かもしれないと思ったりもする。
  逆に私たち旧世代にとっても、新語の氾濫は頭が痛い現象だ。<カーボンニュートラル>といったほうが理解しやすいか、<温室効果ガス排出実質ゼロ>といったほうが素直にわかるかは、その人の適応度によってちがうだろう。しかし、もう少し表現に工夫をこらすべきではないか、とひそかに首をひねる昨今だ。
  (この項おわり)
 
 
 ① 適菜収
 
 
 
 
総選挙前に明らかにせよ! 野党デマ流す「Dappi」と自民党の関係
 
公開日:2021/10/16 06:00 更新日:2021/10/16 06:00
 
 ツイッター上で名誉を毀損されたとして、立憲民主党小西洋之ら議員2人が損害賠償と投稿削除などをもとめる訴訟を東京地裁に起こした。
 
  安倍晋三麻生太郎といった特定の政治家が有利になる情報を流す傾向のある「Dappi」なるネトウヨアカウントは、野党議員の発言を捏造したり、切り取り歪曲した動画を流し、たびたび問題になっていた。立憲民主党福山哲郎が安倍の不規則発言を注意したときの映像を分科会の尾身茂会長に対して声を荒らげたように編集したり、菅義偉枝野幸男党首討論を歪曲編集したものを垂れ流したり。立憲民主党有田芳生の長男が北朝鮮に頻繁に出入りしたというデマも流している。
 
  Dappiのツイートが小西らの名誉毀損にあたるかどうかは裁判で明らかにすればよい。それより重要なのは、このアカウントが個人ではなく東京都内に本社を置くウェブ制作会社により運営されていたことだ。その得意先は「自由民主党」などとされている。
 
BuzzFeed News」の調査では、自民党小渕優子参議院選比例区支部などが同社と取引があることが判明。取引先銀行には大手銀行の衆議院支店の名前があったという。
  今回、その企業と社長、取締役の2人が訴えられたわけだが、ネット上に「SNSを使った野党の宣伝はいいのか」「ネットでメディア工作するのは、当然」「スラップ訴訟だ」といった、とんちんかんなコメントや論点ずらしがあった。
 
  もちろん問題はそこではない。
 
  これは、資金力のある勢力が企業にデマや歪曲動画を制作させ、個人を装って、世論形成・世論誘導を行っていたという政治の根幹に関わる大事件である。
 
  この企業がDappiアカウントだけを運用していたとは限らない。また、同様の工作活動を行っている企業が他に存在しないと考えるほうが不自然だ。
 
ヤフーニュースのコメント欄、匿名掲示板、その他のSNS……。そこにあふれかえるデマが、特定勢力の工作活動によるものだとしたら国家の安全保障の問題でもある。
 
  現在、疑われているのは自民党だ。国民を騙すために税金が使われていたとしたら、党の存続に関わってくる。岸田政権は総選挙前に真相を明らかにすべきだ。
 
 
 ② 井筒和幸
 
 
 
 
ダニエル・クレイグのボンド引退作「007」もこの世の不条理を嘆いとった
 
公開日:2021/10/16 06:00 更新日:2021/10/16 06:00
 
 たまには映画の話も書きたいのだが、芸術の秋もたけなわというのに、この一本は見逃せないという作品がまるでないのだ。加えて、映画館にふらりと行く習慣がこの1年余りでなくなってしまったのも困ったもんだと思っている。
 
  ジョニー・デップ主演の「MINAMATA―ミナマタ」という、熊本県水俣病を世界に知らせた米国の写真家のユージン・スミスの伝記ドラマぐらいは見に行こうかと思っていたら、先に見た若い役者から、「地元で抗議活動をする人たち、それを力で押さえ込むチッソ工場の社員たちや取り締まる警察官の、芝居(つまり、日本人の役者らの演技)が下手くそで見ていられなくて、ジョニーのアル中演技にも集中できませんでした。ストーリーも優等生で丸く収まってた感じで……、わざわざ映画館で見る必要ないっすよ」なんて、クソ生意気な評論をぶちかまされたので、途端に気が失せてしまった。
 
彼が「実はもう一本、こっちなら気晴らしになるかと『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』もハシゴしたんですが……、これがまた2時間45分もありやがってダレるのなんの」と続けた。
 
「へぇ、ボンドが世界征服企む悪党をやっつけるだけでそんな長いんか」と聞き返すや、「いや、前作の『スペクター』っていうのを先にかじっとかないと最初、戸惑いますよ」と。「目の保養になるん?」とまた聞くと、「目も疲れるし頭も疲れました。最後は主演のダニエルもミサイルでぶっ飛ばされて、お役御免となってました」と。
 
  やれやれ、芸術の秋なのに、「007」ぐらいしかないのか。ならばといつもより重たい腰を上げ、久しぶりに映画館へ。彼ほどハシゴする体力はないが、もう一本ないかと探したが、木村拓哉の「マスカレード・ナイト」くらいしか選択肢がない。都市ホテルのパーティーに紛れ込んだ殺人犯を捕まえる潜入捜査官がどうしたこうしたとか。何が悲しくてそんなたわいないおとぎ話につき合わなきゃならないのかとため息だけついて、仕方なくダニエル・ボンド引退作を見届けることに。
 
感想は、ひどく手抜きのスジ運びで、目まぐるしさに疲れただけだった。日本とロシアの間にある無人島(千島列島か?)の秘密基地で、身上不明な小悪党がマッド科学者に開発させた「触れたらすぐ死ぬ」ナノ細菌兵器とやらを世界にバラまかれないうちに(当たり前だが)ボンドが乗りこんで行く、1時間40分もあれば決着つきそうな話だった。米国人が見たら中国の武漢研究所のことかと疑うかもだが、こんな劇画に3億ドルもかけて世界中でその何倍も稼ぐアクロバットみたいな映画で、大衆は何を得るのかと改めて悩みながら外に出た。
 
  ボンドも爆弾の犠牲になったようだ。若い女がかすれ声で歌う主題歌が「もう死ぬ間さえも残されていない」とこの世の不条理を嘆いとったよ。
 
 
 ③ 三枝成彰
 
 
  
 
ビッグマック指数”でも明白 日本人が世界で爆買いできる時代はもう来ないかもしれない
 
公開日:2021/10/16 06:00 更新日:2021/10/16 06:00
 
 別表のランキングは、英誌エコノミストの“ビッグマック指数”だ。世界各国で販売されているマクドナルドのハンバーガー「ビッグマック」の売価を調べたもので、その国の物価や経済力を表すひとつの指標とされる。
 
  今年7月の調査によると、日本は57カ国中32位で390円(1位のベネズエラは現在ハイパーインフレ中のため除外する)。実質1位のスイス(793円)の半額で、アメリカやユーロ圏、韓国にも抜かれ、現在のレートだと中国にも僅差だが下回る。日本より安いのはアジア諸国や南米、ロシア、中東、東欧の国々。指数がその国の経済力を表すなら、日本はいまや世界の下位グループということになる。
 
  先週、世界各国の購買力平価の1人当たりGDPで日本は30位だと書いたが、ハンバーガーの値段ひとつとっても、やはりもはや日本は豊かな国とは言えないと思う。
 
「日本は治安が良く、人々は親切で礼儀正しい」――これは日本を訪れた外国人観光客が口にする定番のセリフだが、近年ではそこに新たな評価が加わった。
 
日本製品は質が良いうえに、安くて素晴らしい」
 
  以前なら考えられなかったことだ。
 
  いまはコロナで見かけなくなったが、銀座などのショッピング街で重そうなスーツケースを押しながら中国人が日本製品を“爆買い”するさまは、バブルのころ、ヨーロッパに買い物ツアーに出かけていた日本人の姿をほうふつとさせた。観光地や温泉でも、外国人観光客は大きなお得意さまだ。日本の経済力が低下する一方で世界各国の経済力が上昇するに従い、外国人観光客がかつての日本人と同じ振る舞いをするようになった。そして彼らの需要に依存しなければ、旅行業やホテル業、小売業などはやっていけなくなっている。コロナが落ち着けば、やがて世界の旅行者は戻ってくるだろう。だが、過ぎし日のバブルよろしく、日本人が外国に出かけて“爆買い”できる日が再び訪れることは、もうないのかもしれない。
 
立憲民主党福山哲郎幹事長は国会の代表質問で、2012年の安倍内閣発足以来、1億円以上の資産を持つ世帯数は1.6倍、資産額は1.8倍に増えたのに対し、12年を100とした実質賃金は19年までに95.6まで下がり、20~30代の貯蓄ゼロ世帯は2倍近くに増え、世帯消費は10%近く下がっていると指摘した。
 
  かつて“1億総中流”といわれた日本だが、ここまで貧富の差が開いているのが現実だ。この格差を是正して全体の賃金を底上げし、消費を上げていかなければ、負のサイクルが終わることはないだろう。
 
 
  秋たけなわのスポーツ界ではこれからの1ヶ月半ぐらいは普段ほとんど
テレビ中継をしなくなったゴルフの番組報道が増えてきて、毎週、女子だけでなく
男子のトーナメントも放送され始めています。
 今週は日本で一番大きなトーナメントと言っても良い”日本オープン”が開催され
ています。今後の数週間は大きなトーナメントが連続するはずですが当方らが
必死に見ていた頃合いとはまったく相違して超面白くなくなっています。
大体、現在の男子ゴルフ界にはスター選手がほぼ完ぺきにゼロと言っていい状態
です。こんな中で、名前を聞いたこともない外国人選手が優勝争いをしても誰を
応援して良いのか見当もつきません。昔はジャンボ派とか青木派とかに分かれて
応援合戦も結構盛り上がったものです。現状はそれはまったく影を潜めています。
イマイチの石川選手だけがスターではもう誰も見なくなるでしょうね!?!
 
 
 本日はプロ選手とは違い、我々のようなど素人でも普通にプレーするゴルフの
突然死に関する記事を照会しておきます。ゴルフは当方のような70歳代以上は
止めるべきお遊びと思うべきのようです。心臓などの突然死だけはありません。
 ゴルフ場での足腰の怪我も怖いですよ・・・?
 以下に突然死の原因を添付しておきます。
 
 
 
 
    ゴルフは突然死をきたしやすいスポーツである。
 
 ① 勝ち負けにこだわって神経が異常に興奮する。
 
 ② 体調が悪くともつい無理をしてしまう。
 
 ③ 瞬間的に力を集中させなければならない。
 
 ④ 異常に長い時間になることがある。(時には炎天下で)
 
 
 
    以上です。
 
 
 本日は超長くなりました。量子物理学等は明日以降にします。
 
 
             ではまた明日・・・・・